2023SS

CHILDHOOD

幼少期と題したコレクションは、自身の祖母の余命が少ないと知り、祖母がいなくなれば幼少期を過ごした土地へ行く事もなくなるかもしれない。

ならば知って記録してみようと思った所からスタートした。

そして、その場所を調べていくことは自身が忘れていた、幼き日に注がれた愛情、憧れ、劣等感といった様々な感情と向き合う事になった。

高知県の室戸岬で幼少期10歳まで過ごしたデザイナー。
柄にはデザイナーの目で見た光景である、現地の岬や地層をイメージ。

オマージュとして、厄払いや大漁を願うお祭りで、豪快に揺れる様子から「あばれ神輿」と呼ばれる神輿と、町の子どもたちが家祓いと家内繁盛を祈願し、「棒打ち」が行われる津呂王子宮大祭にもフォーカスを当てた。

直接的ではないが、神社のしめ縄や網をモチーフにした物や、棒打ちの少年たち着用する祭り着のディティールなど、デザイナーの幼少期より見て触れてきたものが反映をされている。

今回のモデルには永嶋柊吾氏を起用。

過去の記憶を辿り、記録していくようにカメラの前に立つ彼の姿を、デザイナーの過ごした人生と重ね合わせた懐古的でもあり、かつ邂逅的な表現を提案した。

見て触れ、憧れてきたものが反映されている。